日々の雑感帖。小説は25pmにて公開しています。
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 ふとあたりを見まわしてみたら光の粒の海だった、

なんて言ったら笑われるのかな。見わたすかぎりこがね色にまぶしく輝いてて、

胸くらいまであるふかふかの光をかきわけながら、私もふかふか進んでいった。



 やっとたどり着いた私は、彼に、ねぇー、って声をかけた。

ちょっとどきどきしながら。それなのに全然きいてくれないんだもん。

あいかわらず両手で光をすくっては、頭の上からばらまいて

嬉しそうにくるくるしてる。輝くほどに光も嬉しそうなんだ。

「これって、知ってる? ぜーんぶお日様から駆けてきた光なんだってー」

 それでこんなに積もっちゃったんだって。それからねー・・・。

彼は楽しげに思いつくまま口を動かして、腕を動かした。

私はただその場につっ立って、聞くともなしに話を聞いていた。

そのあいだ動きまわる光を手でもてあそんでいたけれど、しばらくたって

ふいにひとりごちた。

「この光、お日様でどうやってできてるんだろう・・・」

「それはね、向こうの工場ってところで、たくさんの人がまわりの光を

いっしょうけんめい搾り出してつくってるんだよ。

でもすごく、すっごく、辛いんだって。それであんまり無理強いされるから、

その人自身も、まわりのものも、光も、光をとられて黒くなって

いっちゃうんだって。」

 彼は笑顔でそう言って、光をふりまく。手の隙間からこぼれ落ちていく。

ぽろぽろこぼれ落ちていく。



 私はかがんで、そっと光を抱いた。